【e-Tax】オンラインでの確定申告(電子申告)のやり方をわかりやすく解説!
確定申告書の提出方法には、窓口への提出、郵送、e-Tax(電子申告)の3つの方法があります。
すでに郵送や窓口での確定申告の経験はあるものの、「e-Tax(電子申告)は難しそう」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、イメージとは違い、e-Tax(電子申告)による方法は、年々やりやすくなってきています。確定申告の経験がある人はもちろん、確定申告が初めての人にもおすすめです。
そこで今回は、e-Tax(電子申告)の概要とやり方、メリットをご紹介します。
e-Taxや電子申告とは?事前準備についてもご紹介
まずは、e-Taxの概要やe-Taxを利用して確定申告をするための事前準備についてご紹介していきます。
e-Taxや電子申告とは?
e-Tax(イータックス)とは、国税庁の「国税電子申告・納税システム」のことを指します。所得税や法人税、消費税など、さまざまな国税の確定申告や納税を、インターネットを使って電子的に行えるシステムのことです。
e-Taxに関連して、電子申告という言葉も使われます。電子申告は、電子的に確定申告を行うことであるため、ほとんど同じ意味だと考えてよいでしょう。この記事では、以後、e-Taxの名称で説明を進めていきます。
▼e-Taxに関連して、確定申告について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
個人事業主なら知っておくべき確定申告とは?やり方をわかりやすくご紹介
e-Taxで確定申告するための事前準備
e-Taxを利用して確定申告する方法には、マイナンバーカード方式、ID・PW方式のほか、顧問税理士などに代行してもらう方法があります。必要な準備は下記の通りです。
利用者
識別番号 |
マイナンバーカード | ICカード
リーダライタ |
電子証明書 | |
マイナンバーカード方式 | 〇 | 〇 | △ | × |
ID・PW方式 | 〇 | × | × | × |
税理士代行
(納税者側の準備) |
△ | × | × | × |
共通して必要なのが、利用者識別番号です(税理士に代行取得してもらうことも可能)。
マイナンバーカードがあれば、Web上から利用者識別番号取得の手続きができます。マイナンバーカードなしにID・PW方式を利用したい場合は、税務署窓口での利用者識別番号の取得が必要です。
また、マイナンバーカード方式では、マイナンバーカードのほか、ICカードリーダライタ(マイナンバーの読み取りに対応していればスマートフォンで代用可能)も準備しておかなくてはなりません。必要なものを揃えた上で、利用者識別番号の取得を行いましょう。
電子証明書については、電子証明書を格納していない住民基本台帳カード(住基カード)を利用して個人が確定申告する場合に必要でした。ただし発行は、平成27年12月で終了し、3年の更新日以後はマイナンバーカードに切り替わっています。現在、個人が使用できるのはマイナンバーカードとID・PW方式に限られることから、電子証明書の新たな取得は不要です。
確定申告のコーナーやソフト
所得税の確定申告は、e-Taxのコーナーやソフトのうち、「確定申告書等作成コーナー」、ダウンロード型の「e-Taxソフト」のいずれかを利用して行います。
e-Taxによる確定申告のやり方
e-Taxによる確定申告には、確定申告書等作成コーナーを利用する方法と、e-Taxソフトを利用する方法があります。それぞれのケースでの確定申告の流れを見ていきましょう。
確定申告書等作成コーナー
確定申告書等作成コーナーを利用したe-Taxによる確定申告は、下記の手順で行います。
- ①国税庁 確定申告書等作成コーナーにアクセスする
- ②作成開始ボタンをクリックする
- ③税務署への提出方法で「マイナンバーカード方式(2次元バーコード)」、「マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)」、「ID・パスワード方式」のいずれかを選択する
- ④事業所得者や不動産所得者は「決算書・収支内訳書」を選択して作成する
※決算書・収支内訳書は事業所得や不動産所得の詳細を示したものです。 - ⑤決算書・収支内訳書の作成後、データを引継ぎ、確定申告書を作成する
- ⑥作成した確定申告書をe-Taxで送信する
確定申告書等作成コーナーは、入力事項の詳細なども確認できるため、一つひとつの記載事項を確認しながら確定申告書の作成を進めていきたい人に向いている方法です。
事業所得者や不動産所得者は、決算書、または収支内訳書の入力が必要なため、会計ソフトやエクセルなどで作成後にデータを見ながら入力するとスムーズです。
e-Taxソフト
e-Taxソフトを利用した確定申告は、下記の手順で行います。
- e-Taxソフトをダウンロードする
- 利用者識別番号などを入力しすべての機能を利用できるようにする
- 確定申告書を作成する
(青色申告決算書や収支内訳書などの作成も可能)
- e-Taxソフト上で確定申告書を送信する
e-Taxソフトは、「組み込み」機能を利用することで、外部の会計ソフトなどで作成した確定申告書のデータを取り入れることができます。会計ソフトで作成したデータをそのまま送信したいときに便利です。
ただし、e-Taxソフトは、マイナンバーカード方式での利用に限られます。ID・パスワード方式には対応していません(ID・パスワード方式が利用できるのは確定申告書等作成コーナーのみです)。
e-Taxで確定申告するメリット
e-Taxを利用しやすい環境整備が進んできたこともあり、e-Taxの利用者は年々増加しています。e-Taxで確定申告をするメリットは下記の通りです。
自宅から確定申告できる
利用者識別番号の取得を済ませておく必要はありますが、e-Taxなら、インターネット環境があればどこからでも確定申告書を提出できます。自宅にいながら提出できるため、税務署に行ったり、郵便局や郵便ポストまで足を運んだりする必要がありません。
一部書類の提出が省略できる
e-Taxを利用した確定申告書の提出に限り、第三者作成書類の添付の省略が認められます。対象の第三者作成書類は、生命保険料控除証明書や寄附金控除証明書、社会保険料控除証明書、2年目以降の住宅ローン控除の借入金年末残高証明書などです。本来提出が必要な書類が、すべて対象の書類であれば、別途、書類を郵送せずに済みます。
スマートフォンから確定申告できる
e-Taxは、パソコンだけでなく、スマートフォン(マイナンバーカードの読み取りに対応しているものに限る)からも利用できます。スマートフォンだけで確定申告を完結させたい人にもおすすめです。
還付の手続きが早い
e-Taxで還付の申告をした場合、1~2月なら2~3週間ほど、それ以外は3週間ほどで所得税の還付を受けることができます。申告後、スピーディーに還付を受けられる点もメリットといえるでしょう。
ほかにも、2021年(令和3年)1月から、マイナポータル連携が始まり、e-Taxがさらに便利になりました。
マイナポータル連携を利用すれば、控除証明書などのデータが一括で取得できるようになります。確定申告書等作成コーナーなどを利用する場合、マイナポータルとの連携で、対象のデータを一括で取得して自動入力できるため、ミス防止にもなり便利です。
マイナポータルとの連携は、2022(令和4)年1月からは、ふるさと納税のデータ(令和3年申告分)、2月からは医療費のデータ取得(令和4年2月取得データは令和3年9月~12月診療分)まで範囲が拡大されます。
まとめ
e-Taxは、国によって利用が促進されていることもあり、年々利用しやすい環境が整備されてきています。自宅から確定申告書を送信できることはもちろん、一部書類の添付省略が認められるため、e-Taxのみで確定申告の手続きを済ませることが可能です。また、スマートフォンからの確定申告もできるため、利用のハードルは高くないといえるでしょう。
それでもe-Taxで確定申告できるか心配な人は、ガイドを見ながら確定申告書の作成を進められる「確定申告書等作成コーナー」がおすすめです。確定申告書等作成コーナーでは、事業所得者が作成しなければならない青色申告決算書(または収支内訳書)も作成できます。
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【監修者プロフィール】
並木 一真(なみき かずま)
税理士、1級ファイナンシャルプランナー技能士、相続診断士、事業承継・M&Aエキスパート
2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等、幅広く税理士業務に取り組んでいる。