「食を正す」がテーマ。自分の生き方を変える「食」を教える料理教室【山口智子】
今回は、無水鍋を使った料理家・山口智子さんにインタビューをしました。山口さんは、「aipono(アイポノ)」という無水鍋の料理教室を自宅や出張先で開いている料理家です。他にも福岡で撮影される大手スーパーのCMやドラマなどの料理を作ったり、企業研修で栄養の話をしたり、部活動生や受験生の母親を対象に栄養の講座をしたりと、幅広い活動をしています。
料理教室の「アイポノ」はハワイの言葉で「食を正す」という意味です。料理を通じて、生き方を考えたり、変えたりする「食」のあり方を追求する山口さんが、料理教室で教えていることや、講師のやりがい、これから講師になりたい方向けのメッセージをお届けします。
料理教室「アイポノ」とは?
――料理教室「アイポノ」について教えてください。
山口智子(以下、山口) アイポノは、無水鍋を使った料理教室です。福岡市内の自宅や出張先で教室を開催しています。インスタグラムなどで日時や場所の問い合わせをいただき、参加者のご要望に合わせて設定しています。料理教室の開催頻度は、おおよそ週に2〜3回です。自宅で開くことが多いですが、鍋を持参して久留米や北九州などの参加者の自宅や、公共施設の調理室に出張することもあります。遠くは東京まで出張したこともあります。
――どのような方が参加していますか?
山口 人数も年齢層もさまざまです。一人で開催のときもあれば15人、30人のときもあるし、年齢層も20代から年配の方までさまざま。友人グループが多いですが、親子や大学生グループでの参加もありますよ。
――どのような料理を教えているんですか?献立はどうやって決めていますか?
山口 ケーキとパンと料理4品が基本です。参加者のリクエストを聞いてメニューを考えます。『スパイスカレー教室』ではスパイスを使ったカレーとパンと料理4品を作り、『お弁当クッキング』では1つのお鍋の中で10品ぐらいのお弁当のおかずを作ります。パンの代わりに肉まんにすることもあります。
――インスタグラムには見た目もきれいで美味しそうな料理の写真がたくさん並んでいますね。
山口 やっぱり出来上がりがいいと、「わーっ!」という達成感があるじゃないですか。それが「自分にもできた、美味しく簡単に作れた!」という自己肯定感につながります。
手料理を作る方がいいのはわかっていても、時間が取れない方が多いですよね。煮物を作る場合、無水鍋なら具材を入れて中火にかけて、沸騰したら弱火で15分加熱するだけなので、「これなら私にもできる!」って言われます。
料理教室の本当の目的
山口 私が料理教室をしている本当の目的は、料理を教えることではありません。
――それは、どういうことでしょうか?
山口 料理を楽しく、美味しく作るのは基本ですが、あくまで入口に過ぎません。大事なのは、何のために食べるのかを考えること。「食を正す」という「アイポノ」につながるところです。
食を正すことで、健康な体と心が作られます。すると魂が元気になり、自分の生きる目的や才能を活かしてチャレンジしようとします。そういうオンリーワンを目指すこと、諦めない心、信じて挑戦し続ける心のあり方を、料理教室の中で伝えていくことが、私の本来の目的なのです。
――料理教室の根底に「食を正す」というテーマがあるんですね。実践した方には、どんな影響がありましたか?
山口 私の二人の息子の話ですが、私は二人に「勉強しなさい」と言ったことはありません。ただ水をしっかり飲んだり、朝はたんぱく質を摂取したりするなど、食を正すことに関しては、だいぶうるさく言いました。
たんぱく質はストレスやメンタルの不調を改善し、ビタミンBは集中力を高めてくれます。無水鍋を使えば、ゆでたまごや鶏むね肉に塩コショウした鶏ハムなどを簡単に作ることができるので、手軽にたんぱく質を摂取することができます。
メンタルの安定に必要な栄養を摂取し、親が「あなたならできる」と言い続ければ、子どもはメンタルが強くなり、運を引き寄せる力もつくと思います。長男は東大に合格し、次男は人との調和を保てる性格になって、二人とも「自分の人生で良かった」と言っています。
――「食を正すこと」が息子さんたちの生き方につながったんですね。
無水鍋の料理教室を始めた動機
――料理教室を始めた動機は何だったのでしょうか?
山口 2008年頃からパン教室に通い、そこからパン教室の先生になりたいと思い始めました。もともと料理を作るのが好きで、当時は毎日のようにお菓子を作っていました。「仕事をするなら、自宅でお菓子や料理など食べ物に関することをやりたいな」と思っていました。
料理教室を始めるための自己投資として、フルコースを2時間かけて作るような教室など、パン教室の他にも料理教室に4カ所くらい通っていました。そして出会ったのが無水鍋の料理教室です。手間いらずで、おいしい家庭料理が簡単に作れるのが画期的で、調理に2時間かかるフルコース料理より、30分で4、5品できる料理教室の方がいいんじゃないかと思うようになりました。
何のために食べるのかという考え方や、体は栄養でできていることなども学び、無水鍋を使った調理法だけでなく、考え方や栄養のことも教えたい気持ちが強くなり、2012年頃から料理教室を始めました。
――当時はまだ無水鍋を持っている方が少なかったのでは?
山口 そうですね。だから料理教室で出会った方におすすめの無水鍋のサイズを教えていました。無水調理なら、水に溶けやすいビタミンやミネラルなどを損ないにくく、普通の鍋を使うよりもたっぷりの栄養を摂取することができます。この料理教室をきっかけに生徒の皆さんが無水調理の魅力を知って、無水鍋を使うことが当たり前になったら、栄養をしっかり摂取することができるので、病気にかかりにくくなる人が増えるのではないかと思います。その想いも無水鍋の料理教室を始めた理由の一つですね。
講師のやりがいと、講師になりたい方へのメッセージ
――講師になって良かったことや、やりがいを感じるのはどんなときですか?
山口 やっぱり参加された方から「ありがとう」って言われたときですよね。「ありがとう」って言ってもらえるのは、その人の困っていたことが解決したからなんです。
食を整えることで体調不良が改善したとか、子どもの悩みが解決したとか、自分の考え方が変わったとか、周りの方がみんな幸せになっていくことが本当の幸せであり、本当の成功だと思っているので、少なからず手助けができたときは私も本当に幸せです。
やりたいことを仕事にできるのも、とても幸せだと思います。息子から「ママの人生楽しそうやね」って言われたのは、最大の褒め言葉でしたね。
――これから講師になりたいという方にメッセージをお願いします。
山口 まず一歩を踏み出すのが大事です。きっちり形ができてから始めるのではなく、何となくやってみて修正していく。その後は周りの方に聞いたり、自分の形を伝えたりすると、やりたいことと、やりたくないこと、相手が求めていることがわかってきます。私も何となく始めて、今やりたいことが見えてきている状態ですから。
――まだ準備が足りないんじゃないかと、躊躇する方も多いと聞きますが。
山口 ナンバーワンを目指すからそうなっちゃうんですよね。私の場合、料理、栄養の話、スピリチュアルな話、撮影現場の仕事を掛け合わせたら、多分オンリーワンなんです。
自分の好きな色々なもの、例えばお花でも読書でも、そういうものを組み合わせると、自分にしかないものが必ずあります。それを見つけ出すには、必要だと思う場所に行ってみる、人に会ってみるなど、自分から動いていくことが必要です。なんとなくでいいので動き出してほしいですね。
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