【おけいこタウン講座レビュー】中村 悦子先生「きもの着付け講座」
おけいこタウンでは、さまざまなスキルを持つ先生が活躍しています。
「おけいこタウン講座レビュー」では、そんな先生方の講座を実際に体験したレポーターが、当日の様子や先生のお人柄をお届けします。
今回体験した講座は、趣味としてはハードルの高さを感じてしまいがちな「きものの着付け」。講師は、福岡県を中心に幅広い年代の方に着付けを教えてこられた中村 悦子先生です。中村先生の「きもの着付け講座」で学んだ内容を、当日の流れとともにご紹介。また、先生が着付けに感じている魅力や、おけいこで大切にされていることについてもインタビューしてきました。
【中村悦子先生のご紹介】
その日の気分に合わせたり、小物のアレンジで印象を変えられたりするきものの不変的な魅力、喜びを味わってもらいたいという想いで、きもの着付け講師を続けて約15年。呉服屋だけでなく、リサイクルショップや通販などで手ごろなものを手にするほど、「ワードローブとしてきものを楽しむ」ことをご自身で体現されている先生です。
「きもの着付け講座」体験レビュー
私は、日本の伝統衣装をさらっと着こなす人を見ては、憧れを抱いてきました。しかし、きものといえば、十数年前の成人式で着せてもらっただけ……。「ほぼ初心者にひとりで着付けなんて難しすぎるのではないか?」と少し不安を抱きながら、中村先生の「きもの着付け講座」が開かれる九州電力本店 厚生クラブ室(文化和室)に向かいました。会場は、西鉄薬院駅から徒歩約7分の場所にありました。きものを持参する人にもアクセスしやすい会場だと思います。
「きものの着付け」に、格式の高さを感じていた私……。恐る恐る会場の扉を開くと、優しい笑顔で中村先生が迎えてくれました。「今日はおひとりですし、楽しくおしゃべりしながら進めていきましょうね」という先生のお声がけで、一気に緊張がほぐれます。
今回は体験講座を選択したため、着物と帯(半幅帯)など、着付けに必要なものは無料で貸していただけました。レンタルさせていただいたアイテムを手に取りながら、先生から着付けに必要なものを教えていただきます。
きものは洋服と違い、身につけるアイテムが多い衣服です。そのため、目の前に並ぶ長襦袢や腰紐などのさまざまなアイテムを見て、「数が多くて覚えられないかも……」と、さっそく弱音がポロリ。そんな私に先生は、「最初からすべてを覚えようとしなくて大丈夫ですよ」と声をかけてくださいました。さらにめったにしない正座で足のしびれが限界にきていた私に、「どうぞ足をくずしてください」と笑顔を向けてくださったのです。ここでまた、着付けに感じていたハードルがグッと下がったように感じます。
先生から学ぶきものの基礎知識の中には、はじめて知ることがたくさんありました。例えば、きもののTPO。きものの格は、形や柄、染め方などで変わるそうです。さらに、近年はポリエステル素材の着物も充実しているんだとか。手ごろで手入れがしやすく、絹生地にも劣らないポリエステル素材なら、きものを趣味として始めやすそうだと感じました。
ひと通りきものについて学んだあとは、実際に袖を通していきます。レンタルできる着物や帯は選択肢が用意されていたため、どちらを着ようか悩む楽しさが味わえました。
「あえて全身が見える姿見を使わないんです」
中村先生の講座には、全身が確認できる大きな鏡がない(※)という特徴があります。
あえて姿見を使わないのは、鏡を見ながらだと左右が分かりづらく、着付け途中で細かな仕上がりが気になってしまうから。
※鏡台サイズの鏡は置いてあります。
その代わりに中村先生は生徒の横に立ち、実際にご自分が着る様子を見せながら着方を教えてくださいます。着る様子をただ見せるだけでなく、アイテムのどのあたりを持ったり押さえたりするのか、どれくらいの力で紐を結べばいいのかなど、初心者でも直感的に分かるよう解説してくれました。
先生とおしゃべりを楽しんでいたら、あっという間に着付けも終盤です。今回は体験講座なので、仕上げの帯には浴衣などより身近な「半幅帯」を使用します。結び方もリボンの形をした「文庫結び」というベーシックなものを教えていただきました。日常により近い着こなしを教えていただけたことで、きものとの距離がグッと縮まったように思います。
今回の講座を通して私は、先生から「多少ずぼらでも、きものは楽しめる」と教わったと思っています。どこにも隙のない着こなしが着付け教室では求められると思っていた私に先生が、「腰回りにできたシワは脇に集めましょう」「とにかく正面がキレイに見えれば大丈夫」と何度も声をかけてくださったからです。この声かけのおかげで、変に力まず先生のマネをすることに集中して着付けを楽しめました。
もちろん私は着付けほぼ初心者だったため、今回の講座だけで完璧な着こなしができたわけではありません。腰紐の締めが緩くなってしまった部分があり、最終的に着物の裾が床につきそうなくらい下がっていました。しかし、自分で着付けをしたことで、改善できるポイントが分かったことも、とても大きな学びだったと思っています。
中村先生がおけいこタウンで先生を始められて、約1年半。単発での受講も可能な講座であるにもかかわらずリピーターが多いのにはきっと、憧れだったきものが身近に感じられる、そして自分ひとりでも着られるという達成感を味わえる時間が、生徒さんたちに支持されているからだと感じました。
中村先生へのQ&Aコーナー
先生を始めようと思ったきっかけを教えてください。
昔から、母や祖母が晴れの席できものを着ていたのを見て「きものが似合うおばあちゃんになりたい」と思っていたくらい、きものへの関心を持っていました。そして、大人になってお茶会に参加する機会があり、その場にきものをササッと着ていけるようになりたくて、着付け教室に通うことにしたんです。そこで「アシスタントとして着付けの教室運営に携わってみないか?」と声をかけていただいたのが、先生になるきっかけでした。
実際に先生になってどうですか?生徒さんとの触れ合いで得られる喜びなどあれば教えてください。
自分の着付け技術を、相手のスキルに合わせて分かりやすく伝える難しさがありました。しかしその分、足袋も穿けなかった生徒さんが、ひとりできものを着られるようになって喜ぶ姿を見たときに自分も嬉しくなりますね。また、生徒さんから「友達との食事で」「入学式で」といった、日常できものを着た報告が聞けたときに、講座を開いてよかったと思っています。
おけいこタウンを利用しようと思ったきっかけを教えてください。
着付け講師として独立を考えていたときに、知り合いから おけいこタウンの存在を教えてもらいました。正直最初は、「マッチングサービス」という言葉だけが耳に残って妙に構えてしまったのですが、運営元が九州電力だと分かり、信頼できそうだと思って先生登録をしてみることにしました。
実際におけいこタウンを利用してみてどうですか?
着付け講師を続けてきた中で、「ただただ、きものが着たい」「子どもの晴れの席をきもので迎えたい」といった、それぞれの生徒さんの目標に合わせた教室があってもいいのではと思うようになりました。おけいこタウンでは、生徒さん一人ひとりに合わせた「自分なりの教室」が開けるやりがいを感じています。
おけいこタウンのメリットを教えてください。
個人で教室を開くときにまずぶつかる壁は、おそらく「場所」と「生徒さんの募集」だと思います。今は自分のスキルを活かすWEBサービスも充実していると耳にしますが、正直怖さもあって……。 おけいこタウンは運営元が九州電力ということもあり、信頼感があります。先生登録をするにあたって、さまざまな相談にのってもらえたのも本当に助かりました。また、講座を開く場所に選択肢がある点も魅力だと思います。私の講座はきものの着付けということもあり、「外から見えない和室」であることは必須条件でした。このように条件に合った会場を提供してもらえるのも、個人で先生をする方にはありがたいポイントになると思います。
これからおけいこタウンを利用しようと考えている方にメッセージを。
私はインターネットやSNSに疎いです。そんな私でも、 おけいこタウンでなら、運営元である九州電力の手厚いサポートを受けながら、安心して着付けの先生を続けられています。個人で教室を開こうにもどうしたらいいのか迷われている人は、活用を検討してみてはいかがでしょうか?