【おけいこタウン講座レビュー】久保山たかし先生【ドローン】de【プログラミング】
おけいこタウンでは、さまざまなスキルを持つ先生が活躍しています。「おけいこタウン講座レビュー」では、そんな先生方の講座を実際に体験したレポーターが、当日の様子や先生のお人柄をお届けします。
今回体験した講座は、ドローンのプログラミング飛行体験会。ドローン操作とプログラミングを楽しく学べる、親子で参加できる教室です。講師は「株式会社みんなのドローン」の代表取締役、久保山たかし先生です。久保山先生の指導のもと、専用アプリを使って90g以下の小さいドローンを飛ばします。ドローンを触るのもプログラミングをするのも初めてという方でも安心して参加できる内容となっています。心躍る楽しい講座の様子を当日の流れとともにご紹介します。また、久保山先生が感じるおけいこタウンの魅力などについてもインタビューしてきました。
【久保山たかし先生のご紹介】
「株式会社みんなのドローン」代表取締役。JUIDA認定スクール講師として、アスキム ドローンスクール東峰校を統括管理しています。地域活性化事業に長年携わり、廃校や商店街の空き店舗活用の一環としてドローン教室を開催。一般向けのドローン教室だけでなく、子ども向けにドローン体験会を行い、ドローンの正しい使い方やプログラミング学習のサポート事業を行っています。おけいこタウンでは「プログラミングdeドローンを飛ばす♪」と題し、ドローンを正しく理解してもらい、楽しみながら親子でプログラミングを学んでいただいています。
【ドローン】de【プログラミング】体験レビュー
教室は九州電力長崎支店の1階の広い部屋で行われました。初めに久保山先生が自己紹介をし、そのあと参加者もそれぞれ自己紹介をしていきます。講座では互いの呼び名も自分たちで決め、声を掛け合って和気あいあいと行われます。約束事の確認をしたあとは、ドローンやプログラミングについて、まずは基本的なことを覚えます。
子どもにも理解できるようにシンプルなスライドで解説されていて、保護者の方にもドローンの教育における有効性などが伝わる内容となっていました。ドローンは普段あまり目にしないこともあり、「そうなんだ!」という新しい発見ばかりでした。プログラミングについては、久保山先生が「コンピューターと会話するための言葉なんですよ」と事例を挙げながらわかりやすい表現をしてくれます。ちょっとした疑問にも久保山先生は笑顔で答えてくれるので、質問もしやすい雰囲気でした。
久保山先生が、講座で生徒さんに培ってもらいたいことは、論理的思考力や発想力とのこと。教室ではルートを設計してドローンを飛ばします。その際に「最適なルートは?」「協力してゴールにたどり着くには?」「失敗した原因は?」など、自発的に考えることで論理的思考力が培われるそうです。それと同時に無限に飛行ルートが組み立てられるので、発想力も培われるとのことでした。
単なる「ドローン体験」として講座をするのではなく、「教育ツール」としてドローンを活用し、さまざまな可能性を感じてもらいたいという久保山先生の思いが、この最初の座学に感じられました。
説明のあとは実際にドローンを飛ばすためのルートを考え、距離を測る工程に入ります。「好きなルートでいいですよ」と久保山先生からアドバイスをもらいましたが、私は最短距離を狙いました。スタート地点からゴールまでのルートは自由。ただし、2カ所通過点が設けられているので、そこを通るルールがあります。ゴールを抜けるとポイントゾーンがあり、ポイントカードの上に着地させたら終了。ポイントゾーンにはSDGsのカードが設置してあり、カードに書かれている数字がそのままポイントになります。
まずはメジャーを使って距離を測定。「正しい距離を測らないとずれてしまうことがあるのですよ」と久保山先生。「それは大変!」と測量士のように真剣に計っていきました。
距離を測ったら、いよいよプログラミング。iPadに入っている専用アプリを使ってコマンドを組み立てる作業です。「モーション」というタブから指示が書かれたパズルを選び、ドラッグ&ドロップをして動きをつないでいきます。距離や高さは先ほど測った数字を入れます。
入力が終わったらいよいよドローンを準備。スタート地点にドローンを置き、アプリのスタートボタンをタップします。するとドローンがふわりと飛び上がりました。ドローンが小さなうなりを上げながら、前へ右へと飛んでいきます。大人の私でもワクワク、ドキドキが抑えられず「いけー!」と思わず叫んでいました。けなげに指示通りに曲がって飛ぶドローンの姿に「かわいい」とさえ思ってしまいます。
私のドローンは残念ながらターゲットから大きく外れてしまいましたが、「なぜずれちゃったのか。もっと上手に飛ばしたい!」という気持ちがふつふつと湧き上がり、再度距離を測り直し、アプリに入れた数字も修正。3度目でターゲットの場所にぴたりと着陸したときは、大人気なく飛び上がって喜んでしまいました。
「親子で参加されると、お父さんがお子さんそっちのけで夢中になることもあるのですよ」と先生が話していたように、心の底から親子で楽しめる教室です。ドローンやプログラミングを身近に感じられた、あっという間の2時間でした。
久保山先生へのQ&Aコーナー
――先生を始めようと思ったきっかけを教えてください
きっかけは地域活性の活動の一環として、ドローン教室を始めたことですね。私は10年近くライフワークとして福岡県内で地域活性の活動をしています。福岡県の東峰村ではICTを利用した村づくりを行っていて、廃校を活用した商業複合施設があるのですが、その施設の立ち上げに携わり、コンテンツ作りをしようと動いたのがそもそものきっかけです。田舎でテクノロジーを使った取り組みができないかと考え、導き出されたのがドローン教室でした。
――実際に先生になってどうですか?
ドローンは建築や農業などのビジネスシーンで使われていることが多く、一般の人々の目にあまり触れる機会が少ないですよね。最初は、教室を受け入れてくれるだろうか正直不安でした。でも実際始めるとそんな不安が吹き飛びましたね。
ある小学校で体験会をやったときに、1年生の男の子が満面の笑顔を見せてくれたことがありました。それを見て「やってよかった」「自分がやらないと」と思いました。ドローンの教室は他にもありますが、私はただ単にドローンに触れるだけでなく、プログラミングを通して子どもたちに論理的思考力や発想力などを培ってもらいたいと思っています。
――生徒さんとの触れ合いで得られる喜びなどがあれば教えてください
やはり子どもたちの笑顔を見るとうれしいですね。それと子どもの発想はとても豊かで驚かされます。ドローンの飛行ルートは自由自在なので、自分なりに試行錯誤している姿を見るとすごいなと思います。なかなか言うことを聞かない子もいるけれど、それも楽しいですね。
一方でシニアの方にも喜んでいただいたこともありました。車椅子のシニアの方が体験されたのですが、もともと航空自衛官だったそうで、とても楽しんでくださいました。ドローンと聞くと若者がやるというイメージだと思いますが、小さい子どもからご年配の方まで、いろいろな世代が楽しめるものなのだと気づかされましたね。親子で参加されると子どもそっちのけでお父さんが夢中になってしまう姿もよく見かけますよ。
――おけいこタウンを利用しようと思ったきっかけを教えてください
社会人も参加できる九州大学のプログラムに参加したときに、九州電力の方と知り合いになり、そこで声を掛けていただきました。本当のことを言うとその時は、すぐには申し込みませんでした。当初はオンラインの大手プラットホームを使おうかと検討していました。ただ、オンラインのプラットホームでは集客までで、教室をする会場は自分で探さないといけません。どうしようか考えていたときに、おけいこタウンのWebサイトを覗いて「いいな」と思い、利用することにしました。
――実際におけいこタウンを利用してみてどうですか?
先生も生徒さんも安心して利用できるところがいいですね。利用の申し込みも決済も、特に困ることなく、簡単に手続きができました。Webサイトがわかりやすい作りになっていると感じました。
また会場も広い部屋を使わせていただいて、とてもやりやすいですね。ドローンの場合、場所を確保するのが大変という特殊な事情があります。九州電力はそういう意味でドローンに対して理解があり、非常にありがたく思っています。何度かやり取りをし、会場の下見もしましたが、とても丁寧に対応していただきました。
――おけいこタウンのメリットを教えてください
ワンストップでできるのは本当にありがたいことだと思います。普通だったら場所の確保、周知、集客、決済など全て自分でしないといけませんが、おけいこタウンが代わりに負担してくれています。
実験的なチャレンジもしやすいのもメリットです。使用料が売上の30%なので、始めやすく、リスクも少ないと言えます。例えばドローン教室とアート教室のコラボもできそうですよね。ドローンの本体のカバーにオリジナルの絵を描いて飛ばすとか。
――これからおけいこタウンを利用しようと考えている方にメッセージを
おけいこタウンは「やってみよう」のハードルを下げてくれる、とてもいいシステムだと思います。「自分なんか」と思っていても、できること、やっていることを棚卸しして気軽に先生を始められるのではないかなと思います。ニッチな分野も興味がある人もいるかもしれません。いろいろな可能性があるので、ぜひ活用していただきたいですね。