【おけいこタウン講座レビュー】宮本眞理子先生「素敵なメタルアート教室」
おけいこタウンでは、さまざまなスキルを持つ先生が活躍しています。「おけいこタウン講座レビュー」では、そんな先生方の講座を実際体験し、先生のお人柄、講座の魅力などレポーターが感じたことをお伝えします。
今回は折り紙アーティスト、宮本眞理子先生の「素敵なメタルアート教室」を体験してきました。宮本先生には先生を始められたきっかけや、生徒との触れ合いで得られる喜び、おけいこタウンの魅力などについても伺いました。
【宮本眞理子先生のご紹介】
長崎での、折り紙の先生との出会いをきっかけに、30年以上折り紙に携わってきた折り紙アーティスト。国内外問わず各地で教室を開催するほか、展示、イベントでの制作なども数多く行っています。オリジナルブランド「ORIART」では、古くから伝わる伝承作品から、折り紙の枠を超えた現代折り紙作品まで、さまざまな素材を活用しながら幅広い作品を制作。また、折り紙の点訳本の作成も行い、目が不自由な方にも楽しめるよう支援活動も行っています。
【メタルアートとは?】
金属製の特殊な折り紙を使った作品のことで、艶やかな薄い金網のシートおりあみ®を使います。紙よりも丈夫で、しっかりと形状が保たれるので作品は半永久的に観賞できます。メタルアート教室はまだ全国でもわずかしかなく、長崎ではおけいこタウンのみの開催です。
「素敵なメタルアート教室」体験レビュー
会場の九州電力長崎支店は立地もよく、明るくて広々とした教室でした。
教室に入ると宮本先生がにっこり笑顔でお出迎え。ゆったりとした話し方でご挨拶をしてくださったのでその瞬間、緊張がほぐれました。
最初に講座を受けている生徒さんの作品を見せてもらいました。
初めて見るメタルアートの作品。艶やかでゴージャスな雰囲気に「こんなに素敵なものが私にも作れるの!?」とワクワクが膨らみました。
「何を作ってもいいですよ」と先生はおっしゃったのですが、自信がなかったので「初心者でも折れるものをお願いします」とお伝えしたところ、「では来年の干支のうさぎを折りましょう」と提案してくださいました。
最初にメタルアートで使う、おりあみ®の説明がありました。
おりあみ®は折り紙のように折って使える金属製の折り紙で、非常に細い金属の糸で折られた金網のシートです。5色あり、色によって使われている金属が異なるため、厚さや重さが違うそうです。私は一番折りやすい金色のおりあみ®を使うことにしました。
「おりあみ®は失敗すると元に戻せないので紙の折り紙で練習しましょう」。宮本先生の言葉に一瞬緊張が走りました。「おりあみ®は布地のように金属が編み込まれているため、ゴシゴシと折るとその部分が伸びてしまって元に戻らなくなるのです。優しく上からまっすぐ押すのがポイントですよ」と詳しく教えてくださいました。
教本を見つつ、一つ一つ折る方法を教えてもらいます。最初は紙で折る練習し、そのあとおりあみ®を実際に折ります。
久しぶりの折り紙で私もしどろもどろ。先生が実際に折って見せてくれたので、まねしながら折ることができました。
「折り返す前に一度折ったところを押さえて平らにしましょう」などと、折り方が紙と違う場面もありましたが、段階を分けて丁寧に説明してくださるのでスムーズに折ることができました。
鶴を折る型からスタートし、そこからオリジナルの折り方に変化します。「ここは優しく」「ここはしっかり」など折り方にも強弱があり、一つ一つ丁寧に教えてくださいます。
恐る恐るのスタートでしたがやっていくにつれて、力の入れ具合がわかるようになりました。
最初は優しく折っていましたが、折り進めていくと力が必要になってきました。手のひらに乗せてもずっしりと重みを感じます。
最後は「仕立て」をします。仕立てとは細かい部分を折ったりへこませたりすること。リアリティや立体感が生まれます。
顔の輪郭から耳やおなかの膨らみ、鼻先、しっぽまで、指先や爪を使って細かい部分を整えていきました。「ここは好みでいいですよ」と宮本先生。しっぽの大きさや膨らみ具合などは自分の好みで作っていきました。
これほどまで細かい折り目をつけたのは初めてでした。「仕立てをすることで折り紙がアート作品に変わるんですよ」と宮本先生がおっしゃった通り、どの角度から見てもうさぎだとわかる、かわいらしいフォルムの置物が出来上がりました。
「とっても上手でびっくりしました」と宮本先生に褒めていただきましたが、1時間半かけてじっくり丁寧に教えてもらったので、慌てずにできたのが成功の要因かもしれません。
金属の折り紙があることも驚きでしたが、それ以上に折り紙の魅力を再発見でき、また先生に教わりながらほかの作品にもチャレンジしてみたいと思いました。
宮本先生へのQ&Aコーナー
先生を始めようと思ったきっかけを教えてください
子どもの頃から折り紙が好きでしたが、30年以上前に長崎の教会で再び始めることになる出会いがありました。シスターが折り紙の先生で、折り紙教室やギャラリーのお手伝いを頼まれたことがきっかけに折り紙の世界に入りました。
その後、鹿児島に引っ越して自分の折り紙展を開催し、たくさんの方に見てもらい、教室を始めることになりました。それこそ、(九州電力鹿児島支店)で先生として初めの一歩を踏み出したんですよ。その際は大変お世話になりました。
実際に先生になってどうですか?
鹿児島で先生になりたての頃は講座のやり方がわからず、イリスのスタッフの方に言葉遣いなどいろいろ教えていただきました。
折り紙の先生になって30年近くになりますが、その間夫の転勤があり移り住んだのは15カ所です。そのたびに折り紙を通して素敵な出会いがありました。特に衝撃だったのは、福岡のシンポジウムの際に出会った全盲の先生です。目が見えなくても折り紙が楽しめることを知り、大阪に住んでいたときは盲学校で折り紙を教えました。1年間で12冊の点訳本も制作しました。
生徒さんとの触れ合いで得られる喜びなどあれば教えてください
いつも喜びでいっぱいです。逆に教わることが多いですね。今日講座に来られているKさんも手芸が何でもできる方で、いろいろ教わっています。生徒さんから「こういうのを作りたい」とリクエストを聞いて作ることもあります。できた作品を見て喜んでくださるのもうれしいです。「プレゼントして友達に喜ばれた」「家族に褒められた」などと聞くと本当にうれしい気持ちになります。先生の役得ですね。教えてもらってばかりです。
おけいこタウンを利用しようと思ったきっかけを教えてください
ほかの教室が終了して場所を探していた際に、ある方からご紹介していただきました。30年前、折り紙教室を始めた頃、鹿児島でも九州電力にお世話になった経験もあったので、ご縁を感じ登録しました。
実際におけいこタウンを利用してみてどうですか?
会場が素晴らしいですよね。お手洗いもとてもきれいです。私は車の免許を持っていないので公共交通機関で移動しています。九州電力長崎支店は市電から降りてすぐなので、極度の方向音痴の私でも迷わず来られます。
おけいこタウンのメリットを教えてください
これまでさまざまな場所で教室を開催してきましたが、おけいこタウンほど良心的なシステムはありません。
もし、同じような広さや環境を東京で借りたら、1時間1万円以上は確実にかかりますね。
おけいこタウンの利用料は参加された方の受講料の3割なので、もし参加人数が少なくても赤字になることはありません。インターネットで宣伝もしてくれるし、とてもありがたいサービスですね。
これからおけいこタウンを利用しようと考えている方にメッセージを
九州電力というネームバリューもありますし、地の利もあるし、これだけ設備が整った場所はほかにないと思います。先生にとってはメリットがたっぷりなので、知られたらどんどん部屋も取れなくなるかもしれません。特に起業を考えている方や若い方はビジネスのチャンスとして利用するとよいのではないでしょうか。