セミナーの質と満足感を高めるためのアンケートの作り方
セミナー講師の仕事は「授業をすること」だけではありません。受講生の満足度を把握し、セミナーの質を高めていくことも大切です。セミナーアンケートは受講生の声を聞くことができる大切なツール。今回は、人気のセミナーを作り上げ、活躍の場を広げていくためにも、セミナーの質向上につながるアンケートの作り方や活かし方をご紹介していきます。
セミナーアンケートで受講生の声を聞こう
セミナー講師として真剣に作り上げた授業。「ぜひ伝えたい」と考えたポイントは、しっかりと受講生の皆さんに伝わったでしょうか?受講生は「このセミナーを受けてよかった」と感じているでしょうか?授業が終わったらセミナーアンケートを実施して、受講生の声を聞きましょう。
アンケートを実施するのは何のため?
まずは「何を一番の目的としてアンケートを行うのか」を決めましょう。
例
・セミナーの評価を把握したい
・セミナーの内容を改善したい
・受講生のニーズや解決したい課題を把握したい
・セミナーの実施日時の検討に役立てたい
アンケートの実施方法
アンケートは、授業後に記入時間をとってすぐに回答してもらい回収する方法と、帰宅後にWeb上で回答してもらう方法があります。
授業後にその場で記入してもらう方法は、ほとんどの人に回答してもらえ、回収率が高まるというメリットがあります。授業の印象が強く残っている間に記入してもらえるため、イキイキとした感想や意見を聞くこともできるでしょう。
一方で講師にとって、集計作業が負担になるというデメリットもあります。
帰宅後にWeb上で回答してもらう方法は、講師にとって集計作業が簡単なことや、アンケート用紙を用意し配布する労力やコストがかからない点がメリットです。
一方、その場で記入してもらう方法に比べてアンケートの回収率が下がることや、デジタル端末が苦手な人の意見が届きにくいというデメリットもあります。
どちらの方法を選ぶかは、参加者の層やアンケートの実施目的とあわせてよく検討しましょう。
セミナーアンケートに盛り込む内容
では、セミナーアンケートの作成方法をご紹介します。Web上で紹介されているテンプレートやサンプルは、そのまま利用するのではなく、アンケートの実施目的に沿うものに変更して使いましょう。
タイトル、リード文にも細心の注意を
受講生がアンケートに向き合ったとき、初めに目に入るのがアンケートのタイトルやリード文です。できるだけアンケートの回収率を高めるための工夫を取り入れましょう。
タイトルは、見ただけで「何を聞かれるのか」が伝わるようにします。
例
「本日のセミナーで得られた学びをお聞かせください」
「率直なご意見をお聞かせください」
リード文では、「どのような目的でアンケートをとるのか」「回答に何分くらいかかるのか」「回答した人にメリット(プレゼントや次回受講料の割引など)がある場合はその旨」を簡潔に伝えます。
基本的な項目
どのような人がセミナーを受講したのかを知るため、そして事後フォローやその後のセミナーの告知を行うためにも、次の項目は記入してもらうとよいでしょう。
・ 氏名、年齢、職業、所属
・ 連絡先(電話番号やメールアドレス)
・ セミナーを知ったきっかけ
・ セミナーに参加した理由
・ セミナーの満足度
アンケート実施目的に合わせた設問
前述の通り、セミナーアンケートで最も知りたいことは何かを、決めておくことが大切です。最も知りたいことを知るための設問も設けましょう。
例:セミナーの評価を知りたい
・本日のセミナーで1番役に立った情報は何ですか?
・講師の話はわかりやすかったですか?
例:受講生のニーズや受講生が解決したい課題を把握したい
・今後、どのようなセミナーに参加したいと考えていますか?
・今、興味があることはどのようなことですか?
・最近、どのような本を読みましたか?
・休日はどのように過ごしていますか?
例:セミナーの実施日時の検討に役立てたい
・セミナーに参加しやすい曜日、時間はありますか?
・朝活に興味はありますか?
重要な項目は序盤に、アンケート全体をコンパクトに
受講生は「講師の話を聞き、新しい知見を得るため」にセミナーに参加しています。アンケートはあくまで付随的な要素であるため、受講生の負担にならないよう配慮が必要です。
講師にとって重要な項目は序盤に答えてもらうようにし、アンケートは長くてもA4サイズの用紙1枚以内に収めましょう。
個人情報の保護について
アンケートで収集する個人情報の使用目的や、情報漏洩を防止するためにどのような策を講じているのかを明記して、受講生に安心してもらいましょう。
セミナーアンケートを今後に活かすために
セミナーアンケートを回収したら、その内容を集計し、今後のセミナーをより充実したものに変えていきましょう。セミナーアンケートの結果から見えてくるのは次のようなことです。
ターゲットとした客層と実際の客層のずれ
例えば、「30代の会社員」をターゲットとしたセミナーだったのに、実際には「20代のフリーランス」「40代の自営業者」などが多い、という結果が出た場合、なぜそのようなことが起こったのかを考えましょう。
考えられる対応策には、次のようなものがあります。
・セミナータイトルや講師プロフィールを書き直す
・セミナーの実施日時を変更する
・告知方法や告知場所を変更する
効果が大きかった集客方法
受講生がどのようなきっかけでセミナーを知ったのか、参加しようと考えた決め手は何なのかを把握しましょう。
多くの人にセミナーの情報が届き、多くの人を集めた集客方法は今後も続けていくとよいでしょう。逆に効果が出なかった集客方法は、改善策を講じながら続けていくという選択肢もあります。一方で、思い切ってその方法を中止し、効果の大きい集客方法に費用や労力を集中させるという考え方もあります。
講師が伝えたかったポイントが伝わったかどうか
セミナーで最も伝えたかったポイントが伝わっているかを、セミナーアンケートで確認しましょう。
最も伝えたかったポイント以外に、魅力的な言葉や、受講生が共感しやすいポイントがあったことがわかったら、その点を今後も活かしていくとよいでしょう。
肝心な部分が伝わっておらず、優先度の低い話題ばかりが受講生の心に残るようであれば、セミナー内容を検討し、重要な点が伝わるように工夫しましょう。
今後改善すべき点の把握
受講生の不満や希望をセミナーアンケートから読み取り、できる限り改善しましょう。
例えば、次のようなことです。
・セミナーの時間は長すぎないか、あるいは短すぎないか
・セミナーで伝えた内容は多すぎないか、あるいは少なすぎないか
・料金は適切であったか
▼開催曜日や時間のニーズの把握
想定したターゲットが参加しやすい日時であったか、開催場所は適切であったかも、セミナーアンケートの結果から知ることができます。
まとめ
セミナーアンケートは、受講生の生の声を聞き、セミナーの質を高めるための重要なツールです。
アンケートを実施する目的を決め、受講生が答えやすいようにタイトルやリード文、設問を作成しましょう。インターネット上で公開されているテンプレートやサンプルをそのまま使うのではなく、講師の知りたいことを回答してもらえるよう、アレンジしましょう。
届いた受講生の声をもとに、セミナーの実施日時や場所、授業の長さ、セミナーで伝える内容を改善していきます。
受講生のニーズに合わせた開催日・場所選びや、セミナーの質の向上のために、講座開催・教室開講したい人へのサポートやスペースの提供を行うおけいこタウンのようなサービスも利用していくといいでしょう。