ビジネスとはなに?始めたいと思ったらなにをすればいいの?ビジネスの基本と始め方
ビジネスを始めたい!と思ったものの、どうすればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。また、ビジネスを始めようと右往左往しているうちに、そもそもビジネスとはどのようなものなのか、不安になることもあります。ここでは「ビジネスとはなにか」を解説するとともに、ビジネスを始める上で役に立つ「事業計画書」の書き方や、必要となる手続きをご紹介していきます。
そもそもビジネスとはなんだろう?
ビジネスという言葉を辞書で引くと「仕事。職業。また、事業。商売。(デジタル大辞泉:小学館)」とあります。ビジネスとは仕事のことを指し、自分でビジネスを始めるということは「仕事を自分で創造する」ということです。
それでは仕事を創造するとは、どのような状態をいうのでしょうか。例えば、自分が作った商品に対し、第三者が価値を見出してくれた場合、商品を購入してくれます。
こうした価値とお金の交換こそが、ビジネスの基本であり、これを生み出すことが仕事の創造、すなわちビジネスを始めるということなのです。ビジネスにおいて、提供する「モノ」とは、形のある商品だけを指すわけではありません。「技術を教える」ことや「体験を提供する」、「作業を代行する」など、さまざまな「モノ」があります。
では、ビジネスという言葉を未来に向けて考えてみましょう。ビジネスを始めた場合、そのビジネスを成功させ、自分が生活していかなくてはなりません。
例えば、自分が作った商品に対して、相手が価値を見出してくれたとしても、その価値=金額が「原価」や「時間的コスト」と同程度であったり、あるいはそれらを下回ってしまったりする場合もあります。
これではいくら商品が売れたとしても、自分がビジネスで生活するという目標に程遠い状態になってしまうのです。もしこれが趣味であればもちろん問題ありません。商品が原価よりも安い価格で売れたとしても、それは趣味という満足を得られるからです。
趣味とビジネスで決定的に異なるのは、支出よりも売上が上回る状態を維持し、生活をしなくてはならない点です。もちろん、最初は赤字覚悟で進み、将来的に黒字にするというビジネス戦略もあります。しかし、最終的な目標は「生活できること」にあることを忘れてはなりません。
ビジネスで最も重要なことは、そのビジネスを始める本人の「思い」です。自身が提供した商品が相手に満足してもらえるということは、ビジネスを続ける上で最大のモチベーションとなります。思いを届け続けられるよう、しっかりと計画を立て、ビジネスを始めましょう。もしビジネスを続けていて、なにかにつまずくことがあったら、ビジネスを始めようと考えた時の思いや、成功体験を思い出して下さい。きっとまた前に進めるはずです。
ビジネスの計画「事業計画書」を作成しよう
ビジネスを始めようと考えた時に、自分の中で漠然と「あれをやって、これをいくらで売って…」と考えているだけでは情報が整理しきれず、実際に始める時になって困ってしまう原因になります。ビジネスを具現化するために、まずは考えていることをビジネスの計画書である「事業計画書」にまとめてみましょう。
事業計画書と聞くと難しそうに感じます。しかし誰かに見せるためのものではなく、自分のために作成するのであれば、それほど難しいものではありません。事業計画書を作る上で、わからない内容があったとしたら、それは実際にビジネスを始めた場合に問題となる部分であるため、きちんと解決していきましょう。それではここで、実際に事業計画書を作成する場合に必要な項目を例とともにご紹介します。
事業概要
ビジネスの概要を記載します。
例)親子連れをターゲットにした子ども向けの絵本を揃えたカフェの運営
事業内容
ビジネスの内容を具体的に記載します。
例)メインメニューのケーキセットは単価500〜800円、大人1名+子ども1名、1組あたりの平均単価1,000円。絵本の閲覧は無料。常時2,000冊の絵本を置くことで、ゆったりとした時間を過ごしてもらう。広い敷地を活かして客の回転率の悪さをカバーする。
市場調査
直接的、または間接的な競合を精査するとともに、その強みや弱みを調査します。この時、自分のビジネスが競合よりも優れている部分を見つけ出し、どのように優位に立つかもあわせて研究します。もし競合相手がいない場合には、自分のあとに同様のビジネスを始めた他社などから、どのように自分の優位性を保つかを研究します。また、自身が提供する商品やサービスに、どの程度需要があるのか調査することも重要です。
例)車での移動が多い地域に開店。カフェの半径5km以内に子ども連れが気軽に立ち寄れるカフェがない。仮に親子向けのカフェができた場合でも、絵本の存在によって差別化を図る。これまで児童書を収集してきた知識と蔵書を活かす。絵本は月50冊を目標に増やす。
提供するサービス、製品などの詳細
ビジネスで提供する商品やサービスなどの詳細をまとめます。
例)メニューの種類/単価/ターゲット/目標販売数/原材料(コスト)/仕入れ(コスト)、および仕入先など
設備計画
ビジネスにおいて、どのような設備が必要か記載します。この時、メンテナンスの必要なものや、消耗品、土地や建物についても、どのような出費が必要なのか丁寧にまとめましょう。
例)初期設備:実家リフォーム〇〇円、食器A〇〇円x20、食器B〇〇円x…、調理器具A…。
運営開始以降:絵本追加月50冊目標(予算〇〇円)、火災保険〇〇円、おしぼり〇〇円(月〇〇組想定)
オペレーション計画
毎日どのようにビジネスを行うのか、具体的にまとめます。1人ですべてを行うのか、従業員を雇うのかなども詳細にまとめます。
例)開店作業:朝9時開店準備、掃除、レジ対応、朝10時開店。
開店中のオペレーション:客対応(オーダー/レジ/配膳)、掃除、厨房作業、仕入れ随時
閉店作業:19時閉店、レジ締め、掃除、仕入れ注文
その他
他に、キャッシュフローも計画しておくとよいでしょう。キャッシュフローとは、現金の流れを意味する言葉です。ビジネスで得られる収入と、支払いなどの支出を差し引き、手元に残る資金の流れのことを言います。例えば、売上と仕入れの金額や、家賃、光熱費の金額などとともに、入金タイミングや支払いタイミングをまとめて、無理のないキャッシュフローを考えましょう。
ビジネスを始める時に必要な手続きや用意しておきたいもの
ビジネスを始める時に必要な手続きにはどのようなものがあるのでしょうか。
まずは個人事業主で始めるか、法人化して始めるかですが、最初は個人事業主で始め、軌道に乗ってきたら法人化を検討するのがよいでしょう。このため、まずは個人事業主として開業するための開業届(個人事業の開業届出)を管轄の税務署に提出します。この時、お店の名前などを表す「屋号」を記載するため、予め決めておきましょう。
また、始めるビジネスに資格が必要となる場合もあるため、事前の調査が重要です。例えば、食品衛生責任者や古物商などがあります。資格の他にも、飲食店営業許可申請などのように業態によって必要な申請もあるため注意が必要です。
また、銀行口座の開設も大切です。もちろんこれまで使っていた銀行口座を使い続けてもよいのですが、事業用口座を分けておくと、経理などが管理しやすくなるため、分けることをおすすめします。口座名義は基本的に個人名となりますが、屋号が付けられる銀行もあるため、相談してみるとよいでしょう。
まとめ
ビジネスとは仕事のことです。自分で作り出した商品やサービスに対して、第三者が価値を見出し、それを購入する、こうした価値とお金の交換がビジネスの基本となります。これを生み出すことこそ「ビジネスを始める」ことなのです。趣味とビジネスの違いは、前者が原価や仕入れ価格を気にしないのに対し、後者はビジネスで生活することが目的です。
ビジネスを始めたいと思ったら、まずはどのようなビジネスをどのように進めるかを詳細にまとめた事業計画書を作成しましょう。事業計画書の作成を始めたあなたは、すでにビジネスを始めていると言っても過言ではありません。